徹底的に人気がないはちみつである。
あたりまえであろう。
これ、元ネタはとり・みきの漫画(タイトルを忘れてしまった。知っている人は教えて下さい)からなんだが、なかなかにまずそうである。 しかし、本当にそんなにまずいのだろうか。
筆者は実際に試してみることにした。
パック納豆を開き、はちみつをてろてろとかける。
その後、箸でかきまわし、糸を引かせる。
このとき、既に違いがあった。箸にかかる抵抗が、いつもよりかなり大きいのだ。
「しまった。納豆のネバネバとはちみつの粘りが相乗している……」
しかし、もう後には戻れない。
私は、ゆっくりと、それを口に運んだ。
……。
どういえばいいのだろうか。
ねばつく、甘い塊が、舌にまとわりつく。噛み砕くと、納豆の豆の内部にある味のしない領域が、はちみつの甘さとまだらになって味蕾を攻撃する。
うむ。確かにこれは最下位に値する。
このままでは、最後まで食うこともままならない。
私は、戦術を変更することにした。
すなわち、納豆に付属のタレを、その納豆の上からかけたのである。
そして、もう一度、それを口に運ぶ。
さっきとはまた別の意味で、私は驚いた。
なんと、それなりにうまかったのである。
もちろん、基本的にはちみつと醤油系の味は合わないので、その部分の違和感はどうしようもなく残っている。だが、納豆に甘みがあることについては、まったく問題ない。いや、新たな味の境地を拓いているといってもいいだろう。
納豆に、普通の砂糖をかけて、その上からタレや醤油をかければ、これはかなりいけるのではないか。
変化のある味を求める人は、ぜひ砂糖味には挑戦してみてほしいと思う。ただ、カラシを加えるとどのような味になるのかは未知数であるので、注意していただきたい。