ゆであがったら


 ゆであがるとはどういう状態なのか。これは非常に難しい話だが、ひとことでいえば「食べられる」状態である。だから、一番確実なのは味見してみることだ。ほうれん草をお湯の中から一株だけ菜箸で引き上げて、水で冷やしてから(でないとやけどする)根のほうのもっとも火が通りにくい部分をかじってみる。「がりっ」という感触がしたらゆでたりない。逆に「ぐちゃっ」だったらゆですぎだ。かじるのが非衛生的だと思ったら、つめを立ててみてかたさを見る方法もあるが、熟練が必要だ。
 しかしほうれん草は非常にスピーディーにゆであがるので、味見に30秒もかけていてはその間にゆですぎになってしまう。時計を見ていて、ほうれん草がお湯に完全に浸かってから1分〜1分半たったら無条件にゆであがりとしたほうが失敗は少なくなると思う。この時間は鍋の大きさや火力にも左右されるので自分で最適の時間を発見してほしい。