好奇心の轍

脳・心・人工知能といった、よくわからんものを研究するふりをしながら、日々と人生についてつらつらと考えている「たっきー」のブログです。
カテゴリ一覧:

2004/08/30 (Mon)

[時事] メダルの意味

オリンピックも終わったねぇ。今回は日本陣が大活躍で堪能させていただきました。

しかし最後に残念だったのがドーピング事件。検査して陰性だったんだからもういいじゃないかという声もあったが、本人が検査直前に怪しい行動をとっているところを見ると、やっぱり怪しかったといわざるを得ない。ぜひ尿をDNA鑑定してほしいところである。

それにしても思うのが、ドーピングして金メダルもらって何がうれしいのかというところ。単に誰が強いかを決める大会じゃないか。自分より強い人がしたら素直に祝福すればいいじゃないか。おかげで室伏も金メダルなのにちっともうれしくない。

薬を使えば確かに自分の力が増えたような気になるだろうが、これは呪術的欲望が満たされるだけだ。この手の欲はろくな結果にならない。自分がイメージする自分の力を伸ばすことでしかないから、成功すればもっと欲望が強まる。そして際限がなくなって、自分を滅ぼすのだ。

本当にすばらしいのは、選手が持てる全力を超えた力を発揮する瞬間ではないだろうか。オリンピックという特別な空気に包まれて、200%の力を出せる選手。まわりがいるから、仲間やコーチや応援の人たちのエネルギーがあるから自分の力以上のものが出せるのである。一種の宗教的体験かもしれない。こういうときには感謝の気持ちが素直に表れるし、負けても誰かを恨んだりしないだろう。見ていても本当に気持ちいい。

それでもドーピングがなくならないのは、みんなが結果だけをもてはやすからではないだろうか。金メダルの報奨金を増やすぐらいなら強化費用に充ててほしい。テレビの総集編も、勝った幸せだけつぎはぎして見せるんじゃなくて、全力で立ち向かう姿、負けた悔しさ、そこで世界と対戦できる幸せをもっと伝えてほしい。

などと総集編をみながら思ったのでした。