好奇心の轍

脳・心・人工知能といった、よくわからんものを研究するふりをしながら、日々と人生についてつらつらと考えている「たっきー」のブログです。
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2004/11/22 (Mon)

[研究] Biologically Inspired Computing workshop

週末は仙台の学会に行っていました。Biologically Inspired Computing ということで、まあちっちゃなワークショップだったのですが、Invited speaker でイギリス滞在中にお世話になった Feng 先生が来るので行くことに。

Invited speaker がいっぱいいて面白かったのですが、やっぱり Maass 先生の話が面白かったかな。Spiking neural network で Liquid state machine というのを提唱していて有名なのですが、こんかいははじめて発表を聞きました。ほんとうに水面+波生成装置+カメラで実現してしまうあたりはいかしている。僕の理解としては、誤差逆伝播がなかった時代の多層パーセプトロンを spiking 版にしたみたいなもんで、十分にたくさんの中間層を用意すればどんな演算関数でも学習できる(収束は保証される)という感じです。しかし誤差逆伝播に相当する強い学習定理がないとこの先きびしそう。エルマンネットのような言語を扱うモデルが LSM ベースでできると面白いのだけど。だれかやってみない?

あとは自然言語屋さんの Dan Roth 先生が来ていたので、「辻井せんせを知ってるか」ときいたら「おお知ってるとも。ここに来る前に寄って来た」だって。世界は狭い。Integer Linear Programming で自然言語の制約を解くという話をしていたのだが、それって僕が昔やってたことにそっくりじゃん。「僕は昔同じようなことに挑戦してダメだったんだけど、何が違うんでしょう」ときいたら、「さー、制約の立てかたかなぁ」だって。そりゃまあそうかもしれないけどさあ。linear でないような boolean 制約が多くなると絶対に指数オーダーで遅くなると思って、早々に撤退したんだけど、間違いだったかねぇ。

日曜日には Feng 先生と、一緒に来ていた学生の Phil を誘って東京見物。皇居→銀座(昼食そば)→浅草でお買い物→都庁で夜景→歌舞伎町で居酒屋というルートで、おおむね好評だったのだが、最後のラーメンだけはやめといたほうがよかったなあ。やっぱ中国人だし。だっていいところ思いつかなかったんだもーん。ぶちぶち。

本日のコメント(全4件) [コメントを入れる]
yoshinag (2004/11/23 (Tue) 00:14)

Dan Roth 先生来てましたね。僕はミーティングには出れなかったのですが、二宮さんが牧野さんの研究のことを思い出したと言っていました。構文解析はタスクが複雑過ぎるので、うまく行かないのかもしれませんね。ところで学振通りましたが、問題は博士論文です・・・。

たっきー (2004/11/23 (Tue) 01:48)

学振通過おめでとうございます。PDで初めて採用の場合は博士取得が遅れても大丈夫(DC待遇で継続)ですが、yoshinag君のようにDCの後のPD採用の人は、博士取得が遅れたら採用取り消しです。ということで死ぬ気でがんばってください(^^;) つーかまあ面接免除だっただけよかったのでは。ぼくのときは12月頭に面接を食らったのでいっそう博士論文が死にました。

yoshinag (2004/11/27 (Sat) 19:49)

研究が進んでおらず、もう半分ぐらい投げています。12月半ばが締め切りですが、通らないD論を出すのも嫌だし出しても審査の先生に余計な負担をかけるだけなので、出すか出さないか今最終判断をしようとしています。英国から帰ってくるのが遅すぎたという感じです。

たっきー (2004/11/27 (Sat) 23:17)

審査の先生はそのために給料をもらってるので余計な負担じゃないです。というか、一人で勝手にD論が通らないという結論を出しているようで、なんか腹立たしいです。ちゃんと誰か(辻井先生とか、二宮さんとか。僕でもいいけど)と相談して、博士論文が通る可能性が本当にないのか、しっかり検討してから最終判断した方がいいかと思います。<br>D論は差し替えがきくはずなので、タイトルさえ固まっていれば締め切り後に勝負できます。せっかくあんなに苦労して学振通したのに棒に振るなんてもったいなさすぎる。