最初の発表は厳しい戦いであった。
僕の研究はどうも地雷原のど真ん中に通じているらしい。みんなそっちが気になっていつつ地雷がこわくて進めない方角なのだが、僕が無防備に突進しているので、親切にも「あなた地雷を踏んでるよ」と、それもょってたかって教えてくれるというか。
まあおしえてもらえるだけありがたいことである。
最大の問題は、次元の差ということで人が説得できないということである。話してるうちに自分でも怪しくなってきちまったしなー。
それと、やはり関連研究との差別化をどうするかであるらしい。確かにそうだよな。特にハンフリーあたりは心理学者には有名らしく、最初に述べておかないとだめらしい。いずれにしろ、今後の発表や論文の構成を練り直さないといけない。まいったね。
それと、ドイツ語系言語学(ヤコブソンとかドレクスラー)の扱うコミュニケーションモデルを勉強するといいというお言葉もいただいた。しかしまずはヴィトゲンシュタインを理解しないとだめだよね。
結局あれだけ時間がかかって準備した実験結果は出てこないまま終了でした。まずは地雷を踏まないように歩くトレーニングが必要みたいです。
暴君ハバネロの横に見かけないやつが並んでいた。「暴君ベビネロ」と書いてある。
クリーム色の包装に、ちっちゃい唐辛子の顔が書かれていて、ご丁寧に「暴君ハバネロ
裏のパッケージの文句がまたそそるのだ。
| 後年、世界を絶叫させる あの暴君にも、 心やさしき時代があった! 思いやりと正義感。母への想い。 世界への愛。 しかし、抑えきれない 辛さへの衝動が 少年に芽生え始めていた―。 |
いったいどんな味なんだよ〜。つい気になって買ってしまうあたり戦略にのせられている気もする。どうも今日発売だったようで・・・。
食べてみるとけっこう辛い。最初はコンソメ味がベースでマイルドかなーと思うが、後から辛さがけっこうくる。確かにハバネロよりはちょっとマイルドだが、これで本当にハバネロの5分の1なのか、信じられない。いつも思うが辛さの何倍という表記はあてにならんのだ。ともかく、決してお子様向けではないようだ。ホットコーヒーと一緒に食したのが失敗だったのかもしれないが。
隣に並んでいた「麻辣仙人」はハバネロのライバルだそうで、山椒の辛さがおいしそう。これも食べてみたい。やっぱりのせられているかなー。だがいったんは破綻までしたキャラメルコーンの東ハトがここまで回復したのはやはりハバネロのヒットあればこそと思うし、辛いものも好きなので、個人的に勝手に応援しているのである。
週末は仙台の学会に行っていました。Biologically Inspired Computing ということで、まあちっちゃなワークショップだったのですが、Invited speaker でイギリス滞在中にお世話になった Feng 先生が来るので行くことに。
Invited speaker がいっぱいいて面白かったのですが、やっぱり Maass 先生の話が面白かったかな。Spiking neural network で Liquid state machine というのを提唱していて有名なのですが、こんかいははじめて発表を聞きました。ほんとうに水面+波生成装置+カメラで実現してしまうあたりはいかしている。僕の理解としては、誤差逆伝播がなかった時代の多層パーセプトロンを spiking 版にしたみたいなもんで、十分にたくさんの中間層を用意すればどんな演算関数でも学習できる(収束は保証される)という感じです。しかし誤差逆伝播に相当する強い学習定理がないとこの先きびしそう。エルマンネットのような言語を扱うモデルが LSM ベースでできると面白いのだけど。だれかやってみない?
あとは自然言語屋さんの Dan Roth 先生が来ていたので、「辻井せんせを知ってるか」ときいたら「おお知ってるとも。ここに来る前に寄って来た」だって。世界は狭い。Integer Linear Programming で自然言語の制約を解くという話をしていたのだが、それって僕が昔やってたことにそっくりじゃん。「僕は昔同じようなことに挑戦してダメだったんだけど、何が違うんでしょう」ときいたら、「さー、制約の立てかたかなぁ」だって。そりゃまあそうかもしれないけどさあ。linear でないような boolean 制約が多くなると絶対に指数オーダーで遅くなると思って、早々に撤退したんだけど、間違いだったかねぇ。
日曜日には Feng 先生と、一緒に来ていた学生の Phil を誘って東京見物。皇居→銀座(昼食そば)→浅草でお買い物→都庁で夜景→歌舞伎町で居酒屋というルートで、おおむね好評だったのだが、最後のラーメンだけはやめといたほうがよかったなあ。やっぱ中国人だし。だっていいところ思いつかなかったんだもーん。ぶちぶち。
ちょっと古くなってしまったが、自閉症患者の脳でなんらかの炎症が起きており、免疫機構が活発に活動しているというニュース。
Autism Associated With Brain Inflammation (Science Now, アクセス制限あり)
Diana Vargas らが Annals of Neurologyに発表した論文 (Neuroglial activation and neuroinflamation in the brain of patients with autism) によると、11人の自閉症患者(5〜44歳)の死後の脳組織を自閉症がない人のものと比較したら、前者で免疫細胞 (microglia と astroglia) がかなり活発になっていたとのこと。前頭葉 (middle frontal gyrus)、帯状回 (anterior cingulate gyrus)、小脳の3か所の実験でいずれも同様の傾向が見られたが、とくに (自閉症の場合にプルキンエ細胞が減少することで知られる) 小脳での傾向が顕著であったとのこと。
これはけっこう悩ましい。何がって、自閉症が示す脳機能の異常は非常に高レベルな部分にあり、通常の運動や記憶、計算などには影響がないのである。脳損傷やアルツハイマー、パーキンソン病などが示す脳障害とは違うわけであって・・・。いったい何が起きているのか。
論文の著者は、免疫機構の制御で自閉症を改善できる可能性を示唆しているが、もし免疫の異常で自閉症ができるのだとしたら、免疫が攻撃する対象(脳の特定の細胞種とか、特定の伝達物質とかタンパク質とか)はコミュニケーションをつかさどるものであるということになる。ほんとうにそんなもんあるんだろうか。
SF的見方では、「他者」という概念が脳に侵入するのを身体の防衛機構が阻止しているとか考えると面白い。概念に対する免疫機構が存在するなら、相手の免疫を発動させる魔法の一言なんてのもありそうだ。免疫を暴走させれば戦わずして相手を倒せるし。って 4150305412 の世界になってしまう。
なんにしろ想像力がかき立てられる研究であることは間違いない。
夫婦別姓のことを考えるときに、子供ができたらどうするか、ってのは意外に大きな問題である。
婚姻している夫婦の子供は、「嫡出子」。
婚姻してない(事実婚の)夫婦の子供は、「嫡出でない子」。
「嫡出でない子」は、遺産相続の取り分が「嫡出子」の半分になるし、まあ遺産がなかったとしても、そのような記載が戸籍にされると子供がかわいそうである。
だから、婚姻届を出すかどうかを、子供が生まれる前に決めないといけないねー。と思っていたのだが……。法律の世界はもっとずっとややこしい。
まず、「嫡出でない子」をあとから「嫡出子」にする方法があるのだ。
「嫡出でない子」をあとから「嫡出子」にできることは民法789条で定められている。専門用語で「準正」というらしい。「準正」には2種類あって、
父母が子を認知して、その後父母が婚姻する(「婚姻準正」)
父母が婚姻して、その後父母が(婚姻前からいた)子を認知する(「認知準正」)
なんでこんなややこしいのかと思うが、「嫡」という文字は「正妻の子供」という意味らしいので、出産と結婚の順序がどうなっても、夫婦二人の子であれば嫡出子と扱うということだと思う(でも正妻って、いつの時代の話なのさ……)
準正の効果は離婚後も残るそうだ。事実婚でも認知ぐらいは最低するだろうから、極端な話だが、嫡出子にしたくなったらそのときにペーパー結婚即離婚すればいいわけだ。ついでに子供の姓を父親姓に変更できる。さらに子供が成人して1年以内に届け出ればどっちもチョイスできるというメリット(?)も……。
しかし、戸籍の記載はおそらく「○月○日父認知」となるだろう。遺産面でのデメリットがないとしても、戸籍の記載が「認知」となるのはちょっと抵抗が残る。
しかし普通は子供ができてから生まれるまで10か月かかるわけで、子供が生まれる前日に婚姻届を出せば嫡出になるというのは納得がいかない気がする。
しかし民法はそんなことなどとうにお見通しなのであった。
嫡出推定という考え方が民法に規定されていて、
第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻成立の日から200日後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
となっているのだ。つまり、婚姻届の翌日に生まれた子供は夫の子とは推定されない。
じゃあなんでみんなあわてて婚姻届を出すのだろう。できちゃった婚の子供は全員が準正嫡出子なのか。と思ったが、そうではないらしい。
ちゃんと判例があり、内縁が先行している場合なら婚姻成立後200日以内に生まれた子でも嫡出子として扱われる(大連判S15.1.23民集19-1-54)とのこと。
だから、前日に婚姻届を出しても、戸籍上の記載は「認知」とはならないのだ。なるほど。
しかし、推定を受けないという事実自体は残るらしい。
DreiRotさんのできちゃった結婚のページによると、嫡出推定された子供の場合であれば、嫡出子としての身分を奪われることはまずない。嫡出否認の訴えは夫のみしか提起できず[民774条]、期間も夫がこの出生を知ったときから1年以内[民777条]とかなり厳格に規定されています
。しかし、嫡出推定が行われない場合、確認の利益がある限り誰からでも親子関係不存在確認の訴え又は審判によって、父子関係をいつでも否定できます。[大判昭15.9.20] つまり、嫡出推定を受けていない場合は、いつ誰から親子関係不存在である、などと言われるかわからないわけです
。確かに、内縁先行の場合、戸籍上は「嫡出子」でも、親子関係不存在確認される、という判例もある(最判S41.2.15 20-2-202)。
たとえば、兄が推定によらない嫡出子、弟が推定による嫡出子だった場合、父の死後に、弟が父の遺産の取り分アップを狙って兄の親子関係不存在確認の裁判を起こす、ということも不可能ではないわけだ。普通認められるとは思わないが、こんなことが可能と考えるだけで背筋が寒い。
ふつうの事実婚の場合 (夫婦ともに自分たちの子供であると思ってる場合) についてまとめてみる。だからどうするってわけじゃないんだけどさ。せっかく調べたので。専門家ではないので間違っていても責任は持てません。
しかし、早く選択的夫婦別姓の法案が通ればこんなこと悩まなくてもいいのに……。
| 婚姻届の提出が出産の…… | 父子関係 | 父子関係の係争 |
|---|---|---|
| 200日以上前 | 嫡出子 | 嫡出否認 (夫のみ、1年以内) |
| 199日前〜1日前 | 嫡出子 | 親子関係不存在確認 (誰でもいつでも可) |
| 後 | 準正嫡出子 (戸籍に認知の記載あり) | 親子関係不存在確認 (誰でもいつでも可) |
| 提出しない | 非嫡出子 (相続分半分) | 親子関係不存在確認 (誰でもいつでも可) |
我ながらこんなこと何時間調べているのか。いや研究が進まなくてねー。なにかもうひとつアイデアがあればできそうなのだが……。そんなことをいっているうちに11月が終わってしまった。仕事しなくては。
→ 岡部 [こんにちは。突然すいません。 東京に住む岡部と申します。 ここを訪れたのはNTTのPHSカードを買ったのですが、使う..]